自転車修理・メンテナンスの方法

パンク修理からブレーキ・変速機調整まで自分でできる基本整備

自転車は適切なメンテナンスを行うことで安全に長く乗り続けられます。ショップに頼むことも大切ですが、パンク修理やチェーン清掃など基本的な整備を自分でできると、いざという時に助かります。

このページでは、パンク修理(チューブ交換・パッチ貼り)、チェーン清掃と注油、ブレーキ調整、変速機調整の基本を手順ごとに解説します。

パンク修理(チューブ交換・パッチ貼り)

パンクの修理方法には「チューブ交換」と「パッチ貼り」の2種類があります。チューブ交換は確実ですが費用がかかります。小さな穴ならパッチ貼りで対応できます。

作業に必要な道具:タイヤレバー(2〜3本)、新品チューブまたはパッチキット、空気入れ(携帯ポンプ)、バケツ(パッチ修理時)

1 車輪を取り外す
車輪の取り外し

前輪はクイックレリーズレバーを緩めるか、ナットをレンチで外して取り外します。後輪はチェーンとブレーキワイヤーにも注意が必要です。変速機を最もチェーンが緩むギア(アウタートップ)に入れてから外すとスムーズです。

クイックリリース式でない場合は15mmのスパナが必要です。左右均等に緩めていきましょう。

2 タイヤをリムから外し、チューブを取り出す
タイヤをリムから外す

バルブキャップとロックナットを外し、タイヤの空気を完全に抜きます。タイヤレバーをリムとタイヤの間に差し込み、テコの原理でビードを外します。1本外れたらもう1本を差し込んでスライドさせると全周外れます。

タイヤは完全に取り外さずに片側だけ外せば、チューブを取り出せます。チューブを取り出したらタイヤの内側に刺さったガラスや金属片がないか手で触れて確認します。

3 穴の位置を特定する(パッチ修理の場合)
穴の位置を確認

チューブに少量空気を入れ、水を張ったバケツに沈めて気泡が出る箇所を探します。穴が見つかったらマジックでマーキングし、よく乾燥させます。チューブ交換の場合はこの手順を省略できます。

パッチを貼る場合:穴の周囲をサンドペーパーで軽く荒らし、ゴム糊を薄く塗って2〜3分乾燥。パッチを貼り付けてしっかり圧着し、さらに5分ほど待ちます。

4 チューブをはめてタイヤを戻す
チューブをはめる

チューブに少量空気を入れて形を整えてからタイヤに入れます。バルブをリム穴に通し、タイヤビードをリムに戻します。最後の部分が硬い場合、タイヤレバーを使いますが、チューブを噛まないよう注意が必要です。

規定の空気圧までポンプで空気を入れ、タイヤが左右均等にリムに収まっているか確認して完了です。

チェーン清掃と注油

チェーンは自転車の駆動を担う最重要部品のひとつです。汚れたチェーンはギアや変速機の摩耗を早め、走行時の抵抗も増加させます。月に1回程度の清掃と注油を目安にしましょう。

1 チェーンの汚れを落とす
チェーン清掃

チェーンクリーナー(専用洗浄剤)をウエスまたは古歯ブラシに含ませてチェーンをこすります。本格的な清掃にはチェーン洗浄器(クランクを回しながら洗浄できる器具)が便利です。

スプロケット(後ろのギア)とチェーンリング(前のギア)も同様に汚れを取り除きます。灯油やパーツクリーナーも使用できますが、ゴムシール付きのチェーンには専用クリーナーを使いましょう。

2 乾燥させてからオイルを注油する
チェーン注油

洗浄後はウエスで水分・洗剤を拭き取り、しっかり乾燥させます。チェーンオイルはチェーンのリンク(コマ)の内側(ローラー部分)に1コマずつ丁寧に注します。クランクを回しながら全体に行き渡らせましょう。

注油後は5分ほど馴染ませてから、外側についた余分なオイルをウエスで拭き取ります。オイルの塗り過ぎはチェーンに汚れを付着させる原因になります。

ブレーキ調整

ブレーキは安全に直結する重要な部品です。ブレーキレバーを握ったときに「ハンドルに当たる前に制動が始まる」状態が正常です。握り代が多過ぎる(スカスカな感触)場合は調整が必要です。

1 ブレーキシューの状態を確認する
ブレーキシューの確認

ブレーキシュー(ゴム製のパッド)に溝が残っているか確認します。溝がなくなると制動力が大幅に低下します。また、シューがリムの金属部分(シルバーの部分)に当たる位置になっているか確認しましょう。タイヤに当たっているとパンクの原因になります。

2 アジャスターボルトでワイヤー張りを調整する
アジャスターで調整

ブレーキレバーの付け根またはブレーキ本体についているアジャスター(筒状のネジ)を反時計回りに回すとワイヤーが張り、ブレーキの効きが強くなります。少しずつ調整しながらレバーを握って確認します。

アジャスターだけでは調整しきれない場合は、ブレーキキャリパーのワイヤー固定ボルトを緩め、ワイヤーを引き直して再固定します。この作業は6mmの六角レンチが必要です。

変速機調整の基本

変速がスムーズにできない(ギアが入らない・チェーンが落ちる)場合は変速機の調整が必要です。リアディレイラー(後ろの変速機)の基本調整を紹介します。

1 ワイヤーテンションをアジャスターで調整する
変速機アジャスター調整

シフターのアジャスター(付け根の筒状ネジ)を反時計回りに回すとワイヤーテンションが増し、変速が「重い方(小さいスプロケット)」へ行きやすくなります。時計回りに回すと「軽い方(大きいスプロケット)」へ動きやすくなります。

クランクを回しながら少しずつ調整し、全ギアでスムーズに変速できるか確認します。異音(カリカリ音)が続く場合はテンション不足のサインです。

2 Hネジ・Lネジで可動範囲を設定する
HネジLネジの調整

ディレイラー本体についているH(ハイ)とL(ロー)の2本のネジはディレイラーの可動範囲を制限します。Hネジはアウタートップ(チェーンが最も外側)のとき、Lネジはインナーロー(最も内側)のときにチェーンが落ちないよう設定します。

各ギアの端に変速したときにチェーンが落ちそうであれば、該当するネジを少しずつ締めて範囲を制限します。精密ドライバー(プラス)で少量ずつ調整しましょう。

自分でメンテナンスして自転車をもっと楽しく

自転車の基本整備は、一度覚えてしまえばそれほど難しくはありません。定期的なメンテナンスで走行性能と安全性を維持しながら、愛車への理解と愛着を深めましょう。

初めての作業は動画も参照しながら行うと失敗が少なくなります。不安な場合は自転車ショップで作業を見てもらい、コツを教えてもらうのも良い方法です。

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